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奄美の皆既の記録 参
そして、いよいよクライマックス。
皆既の瞬間がやってきました。
厚くたちこめる雲の影を、不安そうに見上げる人々。
しかし、太陽の力は私たちが想像していたよりも、
遥かに圧倒的でした。
雲を透かして、眉月よりも更に、細く。
限りなく細くなってゆく、光。
そして。
歓声があがる中、太陽と月と、
そして眺めている私たち、地球は、
まるで一つになったのでした。
目が慣れてくると、真っ黒い太陽が雲の後ろに、
確かに出現していて。
それはまるで、ささやく様に現れ。
夕景の様に景観を変えた空、海。
そして、
そこを駆け抜けてゆく、夜間モードの飛行機。
(とても午前中とは思えない景色)
ひんやりとした空気。
かつて体験した事もない空間、時間、温度、
神秘、感覚、一体感。
私は汎神論者ではありますが、
これはとても宗教的で原始的な体験だと、
体全部で感じました。
かすかに見えたダイヤモンドリング。
そして、
ゆっくりとまた、日中の明るさが生まれ始め、
太陽もだんだんに、太り始める。
興奮さめやらぬ私たちを、
奄美の暑い夏が、ふたたび歓迎してくれて。
絶好のコンディションではなかったというのに、
全員が笑みをうかべ、
感謝の気持ちでそこに佇んでいました。
同じツアーにいらっしゃった、
天体写真家の藤井旭さんの、撮影道具を、
白川天体観測所の皆さんと撤去しつつ、
来年のイースターは敷居が高過ぎますが、
3年後のケアンズにはいきたいなあ。などと、
すっかりエクリプスハンターへの意欲が高まるのでした。
人生において、
オニキスの様に輝く太陽は、
かけがえの無い思い出となりました。
まだ皆既日食を見た事がない方へ、
心底、見てほしいなと願います。
文字や映像ではとても伝えきれない。
写真は、奄美出身のトロピカルカラーなヤドカリさん。
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あの時の日食の感動が、美星さんの詩心あふれる文面から想像がふくらんで頭の中で映像化されています。
テレビで観た、空の色がテレビ越しよりも素晴らしく感じます。
やはり皆既日食は観測地点にて観測するべきなのですね。そう強く思います。部分日食では物足りないように感じています。
いつの日か皆既日食の観測に行きたいです。
テレビの映像よりは曇ってしまっていたのですが、
空気感、風、温度、みんなの喜び、
そういった“五感”を通した感覚。
あれは現地へ行かなければ味わえない感動です。
私も、今回奄美に行かなければ、
テレビの映像で、ふーん、
という感覚だけだったかも知れない。
そう思うと、人生において、
素晴らしい体験をしたなと思っています。
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